【相談者】
法律家のたまご
【相談内容】
私は営業職だったのですが、営業のための接待に会社から認められる以上のお金を借入をしてまで使っていました。
そのため返済ができないほどに借金が膨らんでしまい、返済がまもなくできなくなりそうですので、債務整理を希望しています。
このような仕事では限界があるので、行政書士・司法書士・宅建士といった難関資格にチャレンジしています。
弁護士・司法書士に相談をすると自己破産しか無理だということなのですが、自己破産をすると資格が必要な職業につけないと聞かされました。
なんとかならないでしょうか。
【回答】
自己破産手続きが最後まで終われば制限はなくなるので、まずは自己破産手続きを終わらせてしまいましょう。
現実にそのような資格を持っていて、その仕事をしているのであれば個人再生を利用します。
【解説】
1.自己破産をするとつけなくなる職業がある
自己破産をする場合に、手続き開始をしてから、復権をするまでの間は「破産者」として一定の職業につけないことがあります。
これは、他の人の資産を預かる可能性のある資格については、破産者ではないことを資格を使って仕事をするための条件としているからです(欠格事由)。
典型例なのは、宅建士の資格をつかって不動産営業をしている場合や、警備員がこれにあたります。
相談者様のように行政書士・司法書士といった資格も、他人の財産を預かる可能性のがる仕事なので、同様に破産者は仕事につくことができません。
医師・薬剤師・看護師といった人の生命・身体に関する資格については破産者であってもつくことができます。
2.受験をするためには制限はない
相談者様は「チャレンジをしている」ということでしたので、まだ合格をしていません。
これらの国家資格などは別に破産者でも「受験」自体はできます。
これからこういった仕事につきたいのでチャレンジをしたいという場合でも、それと破産をすると受験もできないということにはならないという事を知りましょう。
3.今仕事につくならば個人再生を
仮に、今後合格をして仕事をする際に破産手続きがくるような場合にはどうすれば良いでしょうか。
資格制限があるのは、裁判所が破産手続きの開始を決定してから、免責復権が終わるまでとされています。
この間に仕事をする可能性があるのであれば、若干の支払いはしなければならないのですが、資格制限がされない個人再生を利用することも検討すべきことになります。