【相談者】
なおなおさん(35歳・男性)
【相談内容】
私は公務員として勤務しているのですが、今500万円借金をしていて返済に困っています。
私には交際をしている人が居て、その人と結婚をしたいと思っており、そうなると私の地域では家を持つことが割と一般的です。
住宅ローンを借入することを見越すと、やはり自己破産をすると借入できなくなりますよね?
とはいえ、このまま借金に苦しんでいるといつまでたっても結婚のための貯金ができるイメージが沸かないので任意整理をしたいと思っています。
【回答】
自己破産のほうが住宅を持つの早いといえるかもしれません。
【解説】
1.任意整理であれば住宅ローンを借りられるということはない
まず、この相談者様が勘違いしているのは、「自己破産をすると住宅ローンは組めない」「任意整理ならば住宅ローンを組める」としていることです。
まず、債務整理をすると、自己破産をしても任意整理をしても信用情報に登録をされて、借入ができない状態になります(いわゆるブラックリスト)。
住宅ローンの借入を行う際には、収入・職業・資産など様々な事項を審査しますが、信用情報に傷がある状態だと住宅ローンの貸付を受けることはまずできません。
よくものの本やインターネットコンテンツには、自己破産手続きよりも任意整理のほうが信用情報に乗っている期間が短いとかかれていますが、あれは完全に正しいとはいえません。
確かに、信用情報に乗るのは自己破産手続きが7年~10年・任意整理が5年~7年とこの期間の問題だけでいうと短いのです。
しかし「どこからカウントするか」という観点が抜けています。
信用情報についてはいくつかの会社があるので一律ではないのですが、一番遅いところで「全部の手続きが終わったとき」と考えるのが無難です。
自己破産手続きは、手続きが終われば債務からも原則は全額逃れます。
これに対して、任意整理手続きは、返済を完了しないと手続きが終わりません。
任意整理は通常3年~5年を目安に返済をしていくことになりますが、3年と考えて、3年後に手続き終了して、そこから5年と考えると、信用情報を回復するためには8年の年月が必要になります。
そう考えると任意整理の方が長くかかります。
2.普通に8年後の貯金を考えてみよう
次に、自己破産手続きと任意整理手続き、8年後の貯金を考えてみましょう。
自己破産手続きをした場合には、すぐ借金がなくなるので、そこから8年間ずっと貯金ができます。
任意整理の場合には3年~5年は返済を継続するので、貯金をできるのは3年~5年ということになります。
どちらの方が貯金の額(=住宅ローンを借りる際には頭金の額)が多いかは一目瞭然ですね。
住宅ローンを組みたいという希望があるのであれば、じっくり頭金をためられる自己破産手続きを利用するのが良いでしょう。